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君に、酔う
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脳裏に思い浮かべるのは、ただただ、あの人。

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桜花一番街で、フォウトに無理を言って作ってもらったあのマフラー!
期待していたよりもずっと綺麗で、赤が映えるけどゼンゼンきつくなくって、
手触りもサイコーで、なめらかで、力強くて、やさしくて。
茉莉にやるのがもったいないぐらい、俺の分も作ってもらえばよかったなあ、とちょっと後悔。
本当に嬉しい、沢山有難うを言ってもいい足りない!

彼女の今使っているストールは、どれぐらいの付き合いなのか、俺はしらない。
たまに新しくなってたような気もするし、遠い昔に買ったような気もするし、一緒に選んだような、誰かにもらったような気もする。

俺たちは(もしくは彼女は)、ちょっとそのへんの人よりか丈夫に出来ているおかげで、人以外のものに対しても、別れに触れる機会が多い。
石や町や、使い込んだ布や鍋やなんやらの形がかわったり、壊れたりというやつだ。
そのおかげで、俺たちはだいぶん、ちょっとそのへんの人よりかは物を大事にすることが得意になった。

勿論、長い付き合いをするわけだから、物選びも慎重になる。
別れる機会は少ないほうがいいんだから、飽きて捨てたりとか、好きじゃないから粗末に扱って壊したりとか、まだ使えるのに新しいものをつい買ってしまうとか… そんなようなことはしたくない。

その点では心配はいらないみたいだ。
俺もそうだけれど、茉莉はあのマフラーをとっても気に入ったみたい。
首にまいて、自分のしっぽにじゃれるみたいに、その動きや色、カタチや音で遊んでいる。
それに、彼女のストールは、別に嫌いになったり壊れたわけじゃあないけれど、やっぱりそろそろストールを引退したかっただろうと思うんだ。
あのストールは、ストール以外のものに生まれ変わる。
たとえばコースターとか、ランチョンマットとか、布巾とか、鍋しきとかさ。
そのへんも彼女と相談しなくちゃ。


桜花一番街、ってところで桜が咲いてるってんで、
ちょっと顔だしてきた。
そしたらフリーマーケットみたいに、
みんなが桜の木の下でお店をやってて、
いろんな人がいろんなものを売ってて、
見てるだけでも楽しかった!

俺もうきうきしてきて、そうだ店やろうって思って、
宿屋のばあちゃんに機材とか借りて、
タコヤキを売ることにしたんだ。

最初のお客さんは、ちっちゃい兄妹?姉弟?
名前を聞きそびれてしまったけれど、
二人ともとてもかあいらしかった。
特に女の子のほうは元気いっぱいで、
俺のことをテンチョーとか言ったりしてくれた。
おまけの飴だま、喜んでくれたかな?
いつかホントにタコヤキ100個せがみに来るかも。

次のお客さんは、アーサー。
宿屋でよく会う、礼儀正しい耳と尻尾が付いた少年。
多分犬、か狼なのかなあ?
そういえば彼については知らないことが多い。
アーサーは普通のとマヨを1つづつ買ってってくれた。
店終いンときにも戻ってきてくれて、
アンジェにお土産持ってってくれたんだ。
肩に乗せてた白い妖精サンは……彼女?

そん次は、犬顔の人、というか犬が直立して歩いて…紳士だった。
ああ、あんまり言ったら失礼なのかな?
彼も名前を聞きそびれたけど、探したらすぐに見つかりそう。
もふもふで白くて、いいお洋服を着ていたなあ。
ネギだくを頼んでくれて、嬉しそうに駆けてった。
彼とはまた会って、一緒にお酒でも飲みたいな。

最後にかわいらしい女の子、とその背後霊?の女の子。
黒髪が綺麗な女の子で、
それとは対照的な白っぽい背後霊の子の組み合わせは、
なんだか散る花びらと相まって、とても綺麗に思えたよ。
お嬢さんはお土産に3パックも買ってったんだ。
あまりしゃべるのが得意ではないのかなあ?
それでも気持ちはちゃんと伝わったよ。


そいから、売るだけでなく買い物もしたんだ。
ひとつはひみつ!知られちゃマズイ。
いやマズクはないけど。
フォウトには悪いことをしたなあ、あとでちゃんと謝らなきゃ。

もうひとつは… ピーチから買った、魔法の小瓶。
一日だけ(日没まで…)自分の好きな姿にヘンシン!できるらしい。
さてさて、何になろうかな?

…なんて。ホントはもう決まってるのさ。
ずっと昔から夢見てたんだもの。
失われた時間を一日で埋められるだろうか?
今日は綾瀬という女性を助けた。鹿に襲われていた。
その綾瀬という女性が、「宝玉を集めると島が崩壊する」と教えてくれた。

この不思議がいっぱいで、自然がたくさんで、ヘンな動物がいて、面白い食材があって、楽しくて気のいい奴らがいっぱいいるこの島がもし、本当に崩壊するとしたら―

でも、そういう素敵なものとひきかえに、マツリの願いが叶うのなら、おれはそれを厭わない。
その願いはごくごくありふれたもので、普通の人であれば、願えば叶うし、願わなくとも叶えることができるものだ。
「ひと」ならば当たり前の願い事なんだ。
何もおかしいことじゃない。

おれはマツリをああいう顔にしてしまったことを後悔こそしたが、今では少し誇りに思っている。
彼女を「ひと」にすることができたのだと、「ひと」に近いものにすることができたんだと、おれはマツリに少し恩返しができた気になっている。
けれども、「少し」でしかない。
おれはやっぱり、夫として、欲が少なく、少しのことで微笑んでくれ、大いに怒り、やさしく叱り、力強く愛してくれる彼女へ「それ」を叶えてやりたいと思う。
そのために俺は何度もがんばったし、いろいろ試してみたけれど、結果彼女に俺を気遣わせるだけになってしまったりした。

だから、おれはやっぱり宝玉を集める。探すよ。
もう、神様に頼るしかないんだ。


俺のマヤウェル。
マヤウェルはあの酒を神々に教え、その礼を受けて神様にしてもらえる。マヤウェルという妻がいたから、夫で人間のパテカトルは一緒に神になることができた。

だから、今度は俺が、君に。


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書き手

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ホマレ=ロホ
性別:
男性
職業:
プー
趣味:
料理、筋トレ、いちゃいちゃ
自己紹介:
Eno.745(前期1378)
外見40代の男性
肩口までの紅い髪を後ろで縛り、グリーンのハンチングを被っている
筋肉質で、近距離パワー型
意外と手先は器用であり、料理が得意
プロレス技を好んで使い、戦いを楽しむタイプ
マツリ(495)という嫁がいる
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