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君に、酔う
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走った。
沢山走った。

マツリは身の動きやダンスのステップなんかは素早いけれど、走るのはなんかトロイ。
だから多分、膝が悪い俺にすら追いつけない。
絡みつくような砂を蹴飛ばして、俺は逃げた。

俺は、7日間を繰り返している。
ずっとだ。
マツリにあれを分けてもらったときから。
俺は7日すすめば7日前に戻る。
大怪我をしても7日前に戻る。
昔の怪我は7日目には少し良くなっているけれど、
8日目には7日前に戻ることになるので、昨日よりは悪くなっている。
記憶はそのまま持ち越せるが、体がそうなのだ。

それなのに、昨日は。
7日間が繰り返さず、8日目が来たのだった。
体の調子でわかった。

今まで、何年も、何十年も、もしかしたら何百年もそうだった。
そうだったのに。

…そうだった分、反動が来るだろうと思った。


ああ、こんなことを言うときっとマツリは怒るだろう。

「老いた俺は見せたくない」なんて。

でも、俺がここで、老いて、枯れて、朽ちれば、彼女の右顔の老いは止まるだろうか?
もしかしたら元に戻るだろうか?あの、つるりとした彫刻のような、綺麗な肌が。
そしたら仮面なんてしなくて良くて、いつでも口付けできるなあ。

「……ははっ」

笑った。
誰が口付けするんだよ。
俺はもう――消えるってのにさ。
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夢を見た。


瞳を開けたとき、いよいよ自分にかかった魔法が解けるのだな、とぼんやり思った。
不思議と悲しくなかった。
傍らでは、面を外したあの人がすやすやと寝ている。
この熱さだというのに、ぴったりと俺の腕にくっついて、指先をからめるように手を握っている。

枕元の魔女の顔が、あざ笑うように俺を見ていた。
(ロホはなんかいっぱいおっぱいだ)
原っぱにあった小さい木の下で、ぼんやりと昼寝をしていた。
妻はどこかに遊びに出かけている。

帽子を頭から顔にずらし、逞しい胸板と軽く組んだ両手が乗る腹をゆっくりと上下させて、瞑想とも想像とも夢ともつかないものを見ていた。

(ロホは日記をさぼりがちなようだ)


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書き手

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HN:
ホマレ=ロホ
性別:
男性
職業:
プー
趣味:
料理、筋トレ、いちゃいちゃ
自己紹介:
Eno.745(前期1378)
外見40代の男性
肩口までの紅い髪を後ろで縛り、グリーンのハンチングを被っている
筋肉質で、近距離パワー型
意外と手先は器用であり、料理が得意
プロレス技を好んで使い、戦いを楽しむタイプ
マツリ(495)という嫁がいる
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