昔絵本でみた、竜の目玉のイメージそっくりだった。
俺たちは山道でイガラシという男にあい、戦って(向こうが挑発してきたんだ)、そしてこの紅く丸くほのかに脈打つ、ロックバイターの心臓みたいな玉を手に入れた。
イガラシはこれを「宝玉」と言った。
この島の財宝(信じることで手に入れることができる財宝―つまり俺はネガイゴト、だと都合よく解釈している)は、島から持ち出すと消えてしまうけれど、七つの宝玉と一緒に持ち出せば消えない。そう招待状に書かれていた。
もうだいぶくしゃくしゃになってしまったけれども、カバンの中にその招待状が眠っている。
つまり、俺たちはもう後戻りはできないってことだ。
ここまできたら、その信じるべき財宝を見つけて、宝玉を集めて…
…
マツリはどちらかといえば好奇心の強さで探索を続けているけれど、俺は違う。
俺はもっとマツリに幸せになって欲しい。
ただそれだけ、なんだ。
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